若年層などの投資初心者が多く、口座開設数を急拡大している楽天証券ですが、3月2日に「かぶミニ」というサービスを開始するとの発表がありました。開始は2023年4月予定となっています。私も興味が非常にありますが、現時点で気になる手数料については公表されていないようです。
この記事では、「かぶミニ」が投資初心者におすすめの理由(メリット・デメリット)と「かぶミニ」の特徴についてお伝えしていきます。
「かぶミニ」(単元未満株取引)とは?
近年、日本でも株などに投資をする人が増えてきています。以前までは、資金の多くある人や、投資に対する知識がある一部人たちを中心でした。
しかし最近は超低金利が続いている中、SNSの情報発信で投資に関する情報が増え、投資に興味を持つ若者が増えました。そんな状況もあって、ネットで口座開設できるネット証券の口座数は急拡大しています。
口座開設数でも上位を見てみると、1位はSBI証券、2位が楽天証券となっています。その楽天証券から「かぶミニ」というサービス開始の発表がありました。
この「かぶミニ」は単元未満株と呼ばれます。単元未満株とは、通常多くの日本の株式は1単元(購入できる単位)が100株であることが多いです。つまり株価が1,000円のものを購入しようとするときに、100株から購入が必要となり、最低でも10万円が必要です。これを1株、つまり1000円から買うことができるというものとなります。
手軽に、大手企業の株主になれるのはすごいね!
初心者におすすめの理由
リスクが低くなる
先ほども述べたように、1株から購入できるので、投資にかけるリスクが低くなります。特に初心者のうちは株価の上げ下げに心が落ち着かなくなることが多いです。私も最初のうちはスマホから目が話せませんでした。どんどん評価額が減って含み損が増えると、怖くなって狼狽売り(感情に流されて売却)した経験のある人も多いのではないでしょうか?
その点、1株単位だと少額から投資できますし、ある程度気軽に株を買うことができるかと思います。当然、少額でもリスクを伴っていますが、金額が小さいと生活に与える影響も小さく、株価が下落してる局面でも冷静に売り買いの判断することができます。
私も当初株が下落すると、いつもソワソワしていました。
少ない資金で株を分散投資することができる(リスク分散)
株式などの投資でポートフォリオを組み立てる際、重要な考え方の一つに様々なセクターに分散する、というものがあります。これも少額でリスクが低くなるのと同様にリスクを下げる効果があります。
株価は、業績や外部環境など様々な要因から大きく値動きすることがあります。1つの情報だけでストップ安となるようなこともあり、それを予測する手段はありません。そのため、リスクを分散するために、株式に投資する際には、セクターを分けて投資すべきと言われています。
セクターとは主に業種などのことを指します。例えば、配当金がいいからと言って銀行株ばかりを何社も買っていると銀行の業界にとっての悪い情報が出ると銀行業界すべての株が下落してしまうことがあります。なので、そうではなく製造、卸、エネルギー、小売など業界での分散投資がリスクを抑えることになります。
ただ、100株単位となると当然多額の資金が必要になります。これが1株単位となると同じ資金であっても幅広いセクターに分散投資することができます。
いろんな業種に投資をすることで、リスク分散できるね。
注意すべき点
メリットばかりをお伝えしてきましたが、一方で注意すべき点、デメリットもお伝えします。
一般的に単元未満株の取り扱いのある証券会社の多くでは、手数料が通常の株取引に比べて高くなる傾向があります。現在のところ、手数料については発表がないようですが、おそらく通常よりは高くなるかと思います。当然、証券会社も商売なのでサービスに対して対価を払う必要がありますが、投資をする際には手数料は非常に大切なポイントです。それを考慮した上で利用するかの検討が必要です。
また、上場しているすべての株が対象になっているわけではなく、各証券会社によって取り扱われているものが違います。つまり自分が投資したい会社が必ずしもあるわけではありません。
株主優待は100株単位からなどが多いので、ほぼ期待できません。
メリット
・金額が少ないのでリスクが低くなる。
・少ない金額で分散投資ができる。
デメリット
・通常よりも手数料が高いことが多い。
・上場しているすべての会社に投資できるわけではない。
・株主優待は100株からのものが多い。
投資においてコスト(手数料)は大きなポイントです!
「かぶミニ」の特徴
ここまでは、一般的な単元未満株についてみてきました。では、楽天証券の「かぶミニ」はどういった特徴があるでしょうか?
楽天証券のページによると、
・国内株式のかぶミニ(単元未満株取引)の取引が可能
・リアルタイム取引が可能。日計り取引もOK
・ポイント投資や自動スイーブも対応
となっています。
単元未満株を取り扱っているネット証券各社とのサービスの差でみると、後出しである今回の楽天証券は優位なポイントが多く見られます。
リアルタイム取引が可能
これは大きなポイントではないでしょうか?今まで他社の場合、単元未満株での株の購入の際は、通常の株のように好きなタイミングでは購入することが出来ませんでした。証券会社によっても違いますが、購入をした日に大きな値動きがあっても対応出来ませんでした。
これが「かぶミニ」では、通常の株式と同様にリアルタイム取引が可能となっています。自分の好きなタイミングや株価で購入できる意義は大きいと思います。
日計り取引が可能
日計り取引とは、購入したその日に売却することで、いわゆるデイトレードです。間違って購入した際には有効かもしれませんが、デイトレードのように利益を出すために投機的な目的での使用はやめておいたほうがいいでしょう。
そもそも単元未満株なので、購入金額が少なければ、利益も少なく、なおかつ手数料も割高になっているでしょうから、さらに利益がなくなります。普通に投資をしようとしている人は、おすすめしません。
デイトレがかっこいいイメージがあるかもしれませんが、初心者はやめておきましょう。
ポイント投資が可能
楽天証券では、楽天ポイントを使っての株や投資信託の購入ができます。今回の「かぶミニ」でも同様に楽天ポイントを使っての購入ができるようです。
これは、楽天市場などで溜まったポイントを投資に回すという循環ができるので、投資初心者には敷居がより低くなるのではないでしょうか。現金でなくポイントを使っての投資でなので、気持ちの余裕も生まれると思います。
すでに楽天では楽天ポイントを使った「ポイント運用」といったサービスがあります。こちらは「アクティブ(全世界インデックスファンド)」「バランス(債券重視ファンド)」のどちらかにポイントを預けて投資信託を運用するというものです。
(※引き出したときもポイントになります。)
このサービスをすでにしている人からするとそこからよりリアルな運用へ移行させようとしている楽天の考えも見えますが…。
自動スイープに対応
楽天証券では、グループ会社の楽天銀行と口座を連携することで「マネーブリッジ」という資金移動サービスを行っています。これは、証券会社に株などを購入するお金を入れていなくても必要な金額を注文が入ると自動で入金(または出金)してくれるサービスとなります。
楽天証券の便利な機能のひとつで、入金作業のひと手間を省き、不必要な金額を証券会社に置いておく必要もないため、こちらは「かぶミニ」でも引き続き使えるのはうれしいサービスですね。
まとめ:投資初心者にはおすすめ
楽天証券の新しい「かぶミニ」が投資初心者におすすめの理由とその特徴について解説しました。
投資初心者の多くは、時間をかけて慣れることが必要です。いきなり大きな金額を投資して、〇〇ショックなどを体験してしまうと退場してしまうことになるでしょう。市場では退場してしまわないリスクコントロールが必要です。
もともと分散投資されている投資信託から投資を開始するのもいいですが、個別株を買ってみたい人には投資資金も少なく分散することができる「かぶミニ」はおすすめです。
以上。
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