楽天証券をご利用の方で貸株(かしかぶ)というサービスはご存知ですか?自分の保有している株(楽天証券は日本株のみ)を証券会社に貸し出すことで、証券会社が定めた金利を受け取るサービスとなります。
今回は実際に、楽天証券で貸株を利用している私が、貸株とはどのようなサービスでメリットとデメリットはどういうものがあるのかを簡単に解説してみようかと思います。
まとめから先に言うと、
・配当金以外の期間でも毎月、貸株金利(現金)をもらうことができる。
・設定によって、貸株金利を受け取りながら、配当金、株主優待ももらうことができる。
・貸株による収入は雑所得になるので、注意が必要。
・証券会社が倒産すれば、株は戻ってこない。
一般的に株式を保有していることで通常受けることのできるものは、配当金や株主優待などがあります。それ以外でさらに貸株金利という現金を受け取ることができるようになります。
貸株のイメージをわかりやすく言うと、現金を銀行に預けて金利を受け取るように、貸株は株を証券会社に預けて金利を受け取れるようになるのです。
それでは、もう少し詳しくみていきましょう。
貸株とは?メリットについて
貸株とは、自分が保有している株を証券会社貸し出すことで金利を得られるサービスです。その貸し出した株は証券会社が機関投資家に貸し出すことで証券会社は、金利を得ているという構造です。
証券会社によって違いがありますが、楽天証券の場合、貸株の対象となる株は4000銘柄以上で金利は年利0.1%以上となっています。
中には年利15%以上という銘柄もありますが、貸株はあくまでも保有している株のおまけです。貸株の年利に惑わされて、間違った株の買い方をしないように注意しましょう。
貸株金利が高い銘柄は、機関投資家が空売りしたい銘柄とも言えるので、個人的には長期で保有するのにはあまりおすすめできません。(株価が上がらないということではなですが…)
貸株の種類
楽天証券では、貸株を1銘柄ごとに3つの設定から選ぶことができます。
(銘柄によって貸株を利用しないこともできます)
金利優先(配当金も株主優待も要らない人)
・株式の自動返却を行わず、貸株金利を継続取得する。
・権利確定日は、貸株金利が通常の5倍になる。
・配当金は、配当金相当額として、預り金に入金される。(雑所得)
株主優待優先(配当金は要らないが株主優待は欲しい人)
・株主優待の権利確定日に、自動的に株が返却され、優待の権利を受けることができる。
・株主優待情報がない場合は、配当金は配当金相当額として、預り金に入金される。(雑所得)
株主優待、予想配当優先(配当金も株主優待も欲しい人)
・株主優待や配当金の権利確定日に、自動的に株が返却され、株主優待や配当金を受け取れる。
つまり個別で3つの中から設定しておくだけで、自動的に株主優待も配当金も受け取ることもできるのです。ほったらかしでいいのは嬉しいですね。
私は、ほとんどの国内株を株主優待、予想配当優先に設定しています。
デメリット 注意すべき点
貸株は、一見いいこと尽くめのように感じますが、デメリットや注意すべき点もあります。それらについてもみていきましょう。
貸株による収入は雑所得
貸株で受け取る金利と配当金相当額として受け取ることができるお金は、雑所得となります。
ここで注意すべきことは、雑所得は年間20万円以上になると、確定申告が必要です。その場合、基本的にはそこに対して追加の税金が必要となります。配当金相当額ですでに税金を引かれた額となっているのにさらに追加だともったいないですね。
貸株金利だけであれば、20万はなかなか行かないと思いますが、配当金をすべて雑所得と受け取っていくと、超える人やもいるのではないでしょうか。また、副業などほかに雑所得としての収入がある人も注意が必要となります。
株主優待が受け取れなくなる?
先ほど、「設定で株主優待を受けられるようにすることができる。」という説明をしましたが、注意が必要なものがあります。これは株主優待の権利確定日に返却されるということなのですが、株主優待の種類によっては、株の保有期間が必要になるものがあります。貸株は一時的に証券会社ものになるので、貸し出している期間は保有期間になりません。つまり株主優待が受けられなくなる、というわけです。
株主優待が欲しい人は、それぞれの企業で株主優待の条件を確認してからにしましょう。中には「3年以上保有で〜」というものもあります。今年で3年目だったのに貸株で証券会社に渡してしまい権利がなくなった、は辛すぎます。
証券会社倒産のリスク
証券会社が倒産した場合、その株は名義が自分のものでない状態なので、失ってしまいます。なかなかないこととは思いますが、絶対ではないので、その大きなリスクがあることも理解した上で貸株は行う必要があります。
まとめ
楽天証券で、貸株サービスについて簡単に解説してみました。
現在の超低金利の日本において、年間0.1%の金利でも、銀行の利息だとすればトップレベルです。100万円の株を1年間で約1,000円の利益となります。自分の中で、リスクも理解した上で貸株をしてみるのはいいのでないでしょうか?
今回は以上となります。
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